「アスベスト」もう、みなさんよくご存知だと思います。
もしかしたら「石綿」の方が馴染みがあるかもしれません。
このアスベスト、簡単に言うと、吸い込んで体内に入ると、ガンになる可能性が高くなるというものです。
そして、仮に吸い込んだとして、それが原因で発症するのは20年後とも言われています。
アスベストとは、天然の繊維状ケイ酸塩鉱物の総称で、ほぼ輸入されていました。
アスベスト、実は、発がん性物質でなければ、相当優秀な物です。
なので、あらゆるものに使われてきました。
「奇跡の鉱物」と呼ばれることがあるほどです。
・他の物質との密着性に優れている(親和性)
・しなやかで糸にも布にも織れる(紡織性)
・摩擦や磨耗に強い(耐摩擦性)
・ひっぱりに強い(抗張力)
・断熱に優れている(断熱性)
・音を遮断する(防音性)
・燃えずに高熱に耐える(難燃性・耐熱性)
・電気を通しにくい(電気絶縁性)
・細菌や湿気に強い(耐腐食性)
・薬品に強い(耐薬品性)
・価格がそれほど高くない(経済性)
発がん性物質だとわかり、さらに、国が使用を禁止するまで長きにわたりいろんな建材に使われて、今に至ります。
材料の種類により、段階段階で使用されなくなっていきました。
ターニングポイントとしての目安は平成18年9月1日。
それ以前の建物には、多かれ少なかれ、使われていることが多いと言っても過言ではない気がします。
大気汚染防止法において、平成18年9月1日以降に建てられた建物には、目視による調査は不要とされています。
今現在、それ以前の建物を解体する際は、建物の規模によりきちんと届出することとなっていて、処分等適切に行うこととなっています。
昔のように、一度にガンガン壊してみんなまとめて処分とはいかないですし、処理の費用もかかります。
ちょっと怖い話ですが、こんな事例があります。
古い建物で、天井からほこりが降ってくる感じがするから・・・と相談を受けたら、実は劣化した天井板からアスベストを含んだものが舞っていた。
というもの。
天井材に使われていたこともあります。
年月が経ち、劣化してきたことにより、知らないうちに日常、吸い込んでいたとしたら、とっても怖いです。
業者が解体工事を行ったり、工事をするときには、可能性があれば対処したりしていくのですが、心配なのが、ご自分でリフォームを行ったりする時です。
平成の途中まで、意外とつい最近まで(昭和生まれの私としては、平成はつい最近)使われ続けていたアスベストです。
ですから、これから、古い建物の解体や、リフォーム、リノベーションがどんどん多くなってきますので、頭の片隅にでも、こういった話があったなぁと、覚えていてくださるといいなぁと思います。
国が認めて、広く広く使われてきたアスベスト。
人体に影響があるとわかってからも、即使用中止にもならなかったアスベスト。
処理するには、余分にお金もかかるし、注意しながらの作業が必要なアスベスト。
今お住まいになっている家に使われているからといって、それが直接危険ではありません。
中に閉じ込められています。
ただ、劣化したり、壊したりすることで外に舞い、それを吸い込むことが危険だということです。
建築物石綿含有建材調査者として調査する場合、防護服に高性能マスクにゴーグルという姿
細心の注意で望みます。
法律で決まっているから等ではなく、体を守るために、適切な対処を誰もが怠ることなくやっていくことが大事なんじゃないかと思っています。
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