物価高騰が叫ばれ続けている昨今。
建物の関係のことは、食品と違って、一つ一つの値段が高いので、どうしても「安い物安い物」、「安い所安い所」を求めてしまうのはよくわかります。
ですが、工事する時、安くてもそれが正しい物、正しい方法でなければ、せっかく出したお金が無駄になってしまいます。
簡単な物で言うと、ビス(ねじ)一つにおいても、そうです。
材質がステンレスとスチールでは値段が当然違います。
たかがビスですが、外部に使用するにはやはり、ステンレスを使用すべきです。
工事の工程の中に入ってしまって、材料一つ一つ確認するのは、ちょっと大変かもしれませんが、工事全体の金額の安い高いで比較するのではなく、やはり、正しい材料を使用してくれているかも重要視した方がいいのではないかと思います。
見積もりは、全て材料一つ一つ、手間一つ一つの積み重ねです。
「一式」
という便利な言葉で済まされてきた時代もあったと思いますが、今は、一つ一つ細かく示してくれていると思います。
どんな材料を使い、どんな作業工程なのか、是非是非確認することをお勧めします。
ちょっと人の住宅とはだいぶ違うお話ではありますが、先日、熱川バナナワニ園さんで、ワニの展示水槽の中に、スペースを分割するためのフェンスを設置しました。
ワニはご存知の通り、水中と陸地を行き来します。
ですからフェンスも水に浸かったり出たりします。
水にずっと浸かっている、もしくは常に空気中ではなく、空気に触れたり水に浸かったりを繰り返すことは、金属(木材も)にとってはとてもよくないことです。
ワニの力に耐えることができる金属で作り、さらに水と空気両方に触れていても大丈夫なフェンスにするため、特殊塗料を使い仕上げました。
錆が出てそれがワニの体内に入ることも心配ですし、錆びてフェンスの強度が落ちることももちろん避けなくてはなりません。
水中でも塗れるという塗料。
2液混合ですが、混ぜるとかなりの高温になり、さらには、固まるのが早く塗るのにも技術が必要です。
先々のため、ワニたちの健康と安全のため、その2点を満たした選択がこの特殊塗料を使用することでした。
目的が達成されない材料選びや施工では、いくら金額が予算内に収まったところで本末転倒ではないかと思います。
本来の目的が達成されることがまず第一で、その上で、施工方法やその他の部分での見直しを加えることで予算に近づけていくことが大事だと思っています。
安全で安心な暮らしのため、材料選びから吟味していくことも大事な時代になってきていると感じます。
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熱川バナナワニ園さん、珍しい白いワニが展示されています。