引き戸のお話の続きです。

「引き残し」という言葉を聞いたことはありますか?

引き残しとは

(スガツネHPより)

引き戸を取手の部分が使えるように、あえて全部開ききらないようにした部分のことを言います。
そのために、こういう場合は、戸当たりがこれ以上開かないようにするための役割としてついています。

この場合は、開口部分の幅よりも引き残しの分だけ実際通れる幅が狭くなってしまいます。

我が家唯一の引き戸はリビングと和室の間にあります。

全部開けると

こうなりますが、ここは、反対側が

壁ではなく引き戸を触れるようになっているので

 

こんな感じで、戸を引っ張り出すようにして、引き戸を閉めます。

多くの引き戸や、引き違い戸がこの要領で閉めているように思います。
既製品引き戸もこういうタイプがほとんどです。

こんなふうにできるのは、片方だけが壁の時や引き違い戸の時です。

 

では、壁と壁の間に戸が納まる形の場合はどうするか・・・

 

その場合は、引き残しを残すのが一つの方法。こうすることで、取手が出ているので戸を閉めることができます。

 

もう一つは建具を造作ということになりますが、

(KAWAJUN HPより)

例えば、こういう取手を使って引き戸を作ります。 
そうすると、取手金物の写真の左側の中央部分を手がかりとして戸を引き出すことができます。
引き残しなく壁と壁の間に戸が納まってしまうと、そこに戸(ドア)があることを感じず、空間に広がりを感じることができます。

 

建物の中で、ドアがいいアクセントの一つとなるようにすることもありますし、閉めると壁と一体になるように引き戸を作る場ありもあったり、引き残しを無くすことで、戸がないように見せることも。

 

バリアフリーのためなど機能面とは別に、「どんな空間にしたいか」、「どんなふうに見えるようにしたいか」でも建具選びが変わってきます。

やっぱり、想像すると、楽しくなりますね😊