一人ぼっちの建物を一つでもなくしたいという思いは常に持ち続けています。
「空家」という言葉、実は、ちょっと寂しい気持ちになるので、使うことに躊躇します。
まぁ、どんな表現をしても、状況は変わらないのですが。
「空家」の定義としては、空家等対策の推進に関する特別措置法に以下のように記されています。
「空家等」とは、建築物又はこれに附属する工作物であって居住その他の使用がなされていないことが常態であるもの及びその敷地(立木その他の土地に定着する物を含む。)をいう。ただし、国又は地方公共団体が所有し、又は管理するものを除く。(2条1項)
概ね1年以上利用の実態がない住宅とされますが、正直、こんなところたくさんありすぎるくらいありますよね。
ご経験がある方もいらっしゃると思いますが、建物は人と一緒に居なくなると(人が使わなくなると)驚くほど早く老朽化が進むように思います。
よく、中古物件をお探しになる際、築年数を気にすると思うのですが、実際、築年数が20〜30年であっても使用されなくなってからかなりの年数が立っていた場合、ずっと使用されていた築40〜50年の建物より状態が悪いことも少なくありません。
ちなみに、数ヶ月に一度窓を開けて空気の入れ替えをし、お掃除をし、庭木のお手入れをしている建物は「1年以上利用の実態がない」には該当しません。
中古物件を内見したことがある方は経験があるかも知れせんが、建物に一度着いてしまったカビ臭さは正直なかなか消えるものではありません。
「空家」と定義される状態になる建物を作りたくない、その期間をできるだけ短くしたい、そう願っています。
お客様のご相談を受けている中で、多くの方が「売る」ということの前に苦慮するのが、中の片付けであることが多いです。
自分が住んでいる家を考えてもそうなのですが、「今、もし急に自分に何かあったら、この家の中の物、片付けるのに一体どれだけかかるんだろう・・・」と思うとゾッとします。
それくらい、人が住んでいた建物には、余程のミニマリストでない限り、ある程度の量の物があります。
それを片付けないと・・・と考えるだけで、「売る」というところまでたどり着けないことが多々あります。
さらに、建物自体に不具合が多ければ多いほど、自分が買う立場となれば想像に難く無いと思うのですが、価格的にだいぶ低くなるか、買い手がつかないかということにもなります。
場所の問題ももちろん大きいです。
こうして書いていても、課題が多すぎてみなさんに、「こうすればいいですよ!!」という明確なモデルを示すことができるわけでは無いのですが、やはり、行動を起こすのは早ければ早い方がいいということです。
もちろん、ご自分が生まれ育ち、ご両親が暮らしていた建物であったりすると、なかなか心の整理がつかない場合もあると思います。
でも、そんな時でも、その建物の未来についてお話ししてみてはいかがでしょうか。
建物の未来相談、広まるといいなぁと思います。
・荷物がたくさんあるんだけど、どうしたらいいかなぁ。
・片付けを頼んだらいくらぐらいかかるかなぁ。
・まだ、手放したくは無いけど、当面の間どうしたらいいかなぁ。
私たちは、一人ぼっちの建物が一つでもなくなるよう、小さな力ではありますが取り組み続けていきます。
新しい土地の開発は正直、もう終わりにし、今現在ある建物や、建物が立っている場所を有効に活用していくことが大事だと思っています。
そうすることで、環境の保全、住環境の整備、空き家問題の解決に繋がっていくと思います。
使われなくなった建物を大切にリノベーションし、次の方に引き継ぐ。
一人ぼっちの建物を一つでもなくしていく。
その思いで、株式会社アクリは取り組み続けます。
伊豆・伊東・イトーピアで、設計とリフォームリノベーションのことならアクリにご相談ください❣️