地震が各地でたびたび起こっていて、ご自宅の耐震性が気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
伊東市では、令和6年度まで、耐震診断を無料で行っています。
そして、条件にもよりますが、耐震補強工事に100万円補助してくれるとHPに記載されています。
こうして書いていることだけ読むと、
「タダで診断してもらえて、100万円出るならやろうか!」
と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
でも、100万円では耐震補強工事ができるかというと、状況により難しいことが多いように思います。
無料の耐震診断はありがたいことではあるかもしれません。
ですが、何が大事かというと、診断をした後の補強計画がとても重要です。
そして、その補強計画に従って工事してこそ、大切な住まいを地震に耐え、人が逃げるなど命を守る行動を取れるようにしてくれるようになります。
補強計画は、どのように耐力壁を入れたり筋交を入れたりすることで、その建物が耐震性を上げられるのか、現況の図面を確認し、計画し、計算していきます。
もし、「自治体で耐震診断を受けました」と言った場合も、補強計画を立てるにあたり、その資料だけでなく、当社にて現況を確認したり、データや図面を入力したりする作業をまず行い、その上で、どのように行うかを計画し、図面に加え、方針が決まります。
当たり前なことでありますが、既存住宅への補強は、新築のように初めから耐震性があるよう作るわけではなく、今の現状(立地、構造など)をしっかりと検証し、その建物に合わせて計画し補強していくため、しっかりとした検証、計画、施工が必要です。
以下の建物は、現況において、耐震診断をしたところ、耐震評価点が0.78という結果でした。
「1」以上で耐震性があるとされます。
この現況のままで、震度6強の揺れが起きた場合をシミュレーションします。
横揺れに対して、右に倒れました。
右側は開口部も多く、壁が少ないためです。
それを踏まえ、この建物に関し、耐震補強計画を立てます。
筋交や壁がバランスよくあり、過度に一部に力が集中しないようにします。
この建物の場合、右側が弱いことを念頭に、リノベーションのための間取り変更のための柱と壁、そして耐力壁や筋交を加え、データ入力を行います。
その内容で同じように震度6強の揺れが起きたとしてシミュレーションしてみます。
耐えられるようになりました。
耐震評価点は1.35になりました。
これはあくまでも計算上のことであって、「絶対倒れません」というものではもちろんありません。
自然災害は、想定外のことが起きる可能性があります。
ちなみに、意外かもしれませんが、そもそも、耐震性があるとは、決して建物が倒れないというわけではないのです。
正しく耐震診断を行い、適切な耐震計画と補強工事を行うことで、建物が揺れに耐え、人が逃げる時間を与えてくれるのです。
おうちの耐震性、耐震補強工事が気になりましたら、ご相談ください。
伊豆・伊東・イトーピアで、建物と設計のことならアクリにご相談ください❣️